ワインセラーエスカルゴ

ジャン・マルク・モレの娘、カロリーヌの個人ドメーヌ

カロリーヌ・モレはシャサーニュ・モンラッシェの銘醸ドメーヌ、ジャン・マルク・モレの娘であり、なおかつ、マルク・コランの息子であるピエール・イヴ・コランの奥方。 ピエール・イヴとは共同で、シャサーニュ・モンラッシェにドメーヌ・ピエール・イヴ・コラン・モレを運営していますが、この度は父ジャン・マルク・モレの畑を相続。2014年ヴィンテージからカロリーヌ・モレ名義でワインを造り始めました。

ラインナップも豪華で、、シャサーニュ・モンラッシェ・プルミエ・クリュのシャン・ガン、レ・ショーム、レ・カイユレを揃えます。 シャン・ガンは白だけでなく、赤も醸造。ピエール・イヴ・コラン・モレにもシャン・ガンとレ・カイユレがあるから、両者がどのように異なるのかは気になるところです。

また、後からACとしてボーヌ・1級・グレーヴ白、シャサーニュ・ヴェルジュリー赤も加わりました。 さらに、2016年からグランクリュのクリオ・バタール・モンラッシェ、そして、サントネイ、シャサーニュ・シェーヌ（赤）、サントネイ・1級・ラ・コムの畑が加わるなど、ラインナップがどんどん増えています


夫のピエール・イヴ・コランと同じ醸造所で生み出せる共通のスタイルのワイン

両ドメーヌとも2014年にシャサーニュに建てられた新しい施設を利用し、夫婦共同で醸造しています。

夫の運営する「ピエール・イヴ・コラン・モレ」では、1990年代末から2000年代初頭にかけて大きな問題となったプレマチュアオキシデーション（熟成前の早期酸化）を避けるため、熟成中のバトナージュを止め、また樽の大きさも伝統的な228リットルより一回り大きい350リットルを用いることでできる限り還元的な醸造を心がけてきました。

カロリーヌ・モレ名義のワインもこれに準じ、コルクを打った後は蝋封を施し、瓶詰め後の酸化も徹底的に抑えている点は共通しています。

このような造りのため、ピエール・イヴ・コラン・モレのワイン同様、若いうちは硬く、閉じて気味に感じられることもありますが、ワインに十分空気と触れさせることで開いてきます。 なにより、夫のワインに通じるピュアなミネラル感と、縦に伸びる余韻の長さに驚かされるでしょう。

また、キュヴェによってはイブ・コラン・モレよりも幾分柔らかい質感をイメージさせるものもあります。 夫婦がどのようにワインを作り分けているのか、その辺りも想像しながら飲むことで楽しみが広がります。